家づくりで大切にしていること <その3>

仕事

<その2からのつづき>
◆身の丈にあったバランスを考える
<その1><その2>でお伝えしてきたことを
すべて実現するために予算が大幅にふくれあがり
借入金額が増えて仕事に明け暮れることになるなど
せっかくの暮らしを圧迫してしまっては本末転倒。
予算と理想のバランスを考えながら、
いろいろな選択肢を提示しています。

◆中古物件の改装がおすすめ
改装と新築では経済的な負担の差がずいぶん出るので
その後の生活の余裕が変わってきます。
以前、古い住宅を大改装したことがあります。
基礎、屋根、柱、それだけ残し、

ジャッキアップして傾きを直したり基礎を補強し、
外壁も新しくして 部分的に増築・減築したことがありました。
中も外も見た目には新築にしか見えないのですが、
金額は新築よりかなり抑えられました。
せっかく新居を手に入れてもそのために働く時間が
大幅に増えて家族の心安らぐ時間が減ってしまい
犠牲にするものが増えてしまうのであれば
いい住まいができたとしても 豊かな時間を過ごすことができず
勿体ないと思います。
この家は壊して新築しないと全然ダメだ、
と決めつけずにいてほしい。
いろんな方法があります。使えるものは使う。
それは環境にとっても、人生にとってもよいことずくめです。

◆コンパクトに小さく暮らす
他にバランスを取る方法としては
なるべくコンパクトにまとめること。
大きい家だと面積に応じて材料費も単純にあがります。
例えば子ども部屋をどうするか。
子ども部屋を必要とするのはほんの数年です。
子どもが出ていくと物置部屋になるケースが多いです。
なんだか勿体無い。
なので視点を変えて間取りを工夫することで
子ども部屋にも使えるスペースを用意しておくのもありです。
小さい家でもストレスなく快適に暮らすコツ、
窮屈に感じない暮らし方をご提案しています。

◆お施主さんも積極的に参加する
お施主さんも壁をぬったり、
フローリングにオイルを塗ったりするなど、
DIYで参加できるところは参加してもらうことを
提案したりします。
これは楽しめる方限定ですが。
ただ減額になるだけではなく、愛着がわく、
メンテナンスに有利という利点があります。
一度自分たちでやっているとオイルを塗り直したり
壁を塗り直したりするのも
ちょっとやってみようかなと気軽にできます。

◆外観に予算をかけるよりも庭に予算を
限られた予算のなかでやりくりするなら
家で過ごす時間を大切にしたいので
外観にはあまりお金をかけずにシンプルにするのを
おすすめしています。
(立地条件にもよりますが。)
それよりも窓から緑が眺められるように庭の木々や
エクステリアに重きをおき、外観は見えないぐらい
緑の中に埋もれているほうが好きです。

◆暮らしを楽しむ
一生に一度かもしれない家づくりについつい
振り回されがちですが、消費主義的な経済活動から
すこし離れて暮らしを大切にし楽しむことに

時間を使うことをおすすめしています。
例えば、梅干し、梅シロップなどの季節の保存食をつくったり。
服をつくったり繕ったり。
こどもといっしょに魚を釣ったり。
物を買うよりなるべく生み出すことを大事にしています。
その中で感じたり気づいたりすることは
大いに価値があると思います。
消費者であることはやめられないけど、
少し立ち止まって過度に消費することなく
なるべく生産する楽しみを堪能する人が増えてほしい。
家づくりを通してそんなことも考えています。
暮らしを楽しむことが持続可能な社会へつながると信じています。