家づくりで大切にしていること <その2>

仕事

<その1からのつづき>
♦︎美しいこと
時を経て味わいが増し、なお美しいもの・素材を使い、
時が経つにつれて醜く汚らしくなるものは使わないよう
意識しています。
暮らしの中に自然をとりいれ、四季を感じ周りの景観に
対しても調和することを大切にしています。
空間の美しさだけではなく、家具・小物などのインテリ
アの要素、暮らしそのものを含めて考える。

安全性や環境にやさしいだけでなく洗練されていて豊か
な感性を刺激する空間を提供できるよう日々努力する。
美しさへの感度を高めるため日用品でも美しく無いも
の、自然と調和しないものは選ばない。
目的のものが見つからないときは自らの手でつくる。
自然の中に身を置く。暮らしの中で四季を感じる。
時を経ても美しい建物をみたり先人の知恵を学ぶ。
多少の不便を楽しむ。
そんなことが大事だと考えています。

♦︎暮らしごこちの良さ
夏でも冬でも快適に過ごせること。
そして人は自然の一部であると考え季節の移り変わりを
感じるため暮らしの中に自然を取り入れることを大切に
しています。
自然と切り離された不自然に均質な暮らしは便利かもし
れませんが人にストレスを与えていると思います。

電力に依存する最新の設備やシステムを組み込んだ高機
能住宅は一見快適で住みやすいように思えますが、何か
ひとつでも不具合が起きたときに成り立たなくなるので
は欠陥といえるのではないでしょうか。
そして快適さだけを求めて箱(家)に合わせて暮らすの
ではなくまず住む人の暮らしありき。
今の暮らしでうまくいっていること、うまくいっていな
いことを見つめこれからどう暮らしたいのかをしっかり
伺ってから計画に落とし込みます。
住む人それぞれに合ったストレスのない心地よい暮らし
に導きます。

♦︎住み手が変わっても受け継がれること
現代の日本の住宅の寿命は25〜30年といわれていま
す。
住み手が変わると安易に壊して新築するやり方では、環
境に対する負荷も高くそういった消費主義的なサイクル
は持続可能とはいえません。
新築も得意としていますが、経済的負担を減らして豊か
な暮らしをつくるために予算を割くため、改装や改築を
おすすめしています。

あるものを活かして、安全性・快適性など手をいれるべ
きところは手を入れ間取りを変えながら長い間住み継が
れるように整えることが合理的ではないかと思います。
完成した時が一番美しく徐々に劣化していくような工業
製品の使用は最小限に抑え時が経つにつれてどんどん味
わいが増し家にいる時間が豊かになるように意識してい
ます。