土間のある暮らし

暮らし

我が家の間取りは少し変わっています。
入り口のドアを開けるとすぐ土間。そしていきなりダイ
ニング。
玄関、エントランスホール、廊下などがありません。
ある意味、玄関で暮らしているような我が家。
ここは家族の中心的スペースであり、ゲストをお迎えす
る応接間的なスペースでもあります。
子育ての悲喜交々も、仲間とかたらう楽しい宴もみんな
この場所で深まっていきます。
思い入れ、思い出がたっぷり詰まった場所。
4人暮らし(+オカメインコ)なので、廊下や玄関など
の通路は極力減らせば、限られた空間を有意義に使える
という多大なメリットがあります。
天井高が高いのも相まって、実際に狭苦しい感じは全く
ありません。

この間取りは里山の暮らしのメリットを享受し、設計事
務所としての顔も併せ持つ我が家ならではのプラン。
これがとても機能的で使いやすい。

土間は来客をおおらかに受け止めてくれます。
土間でお茶をしながら仕事の打ち合わせは、我が家(我
が事務所)の定番スタイル。
少々汚れても気にならないので、金継ぎ教室やワークシ
ョップでも大活躍。

大きな開口から外の様子が常に見えるので、ご近所の誰
かがうちに向かってくると「あ。〇〇さん来たな。」と
遠くからでも良くわかり、そのまま「ちょっとお茶で
も」と靴を脱がずに気軽にうちに入ってもらえます。
採れたて野菜の差し入れも、土間だから気兼ねなくコン
テナごと置いていってくださったりします。
冬の間、多肉植物を避難させたり、薪をおいたり、収穫
した小豆や大豆をさやからはずしたり、苗を育てたり、
藁で縄をなったり。
昔の家は、フレキシブルに土間が活躍していたのも納
得。

♦︎土間の素材
昔ながらの三和土(たたき)は砂埃がでるし、モルタル
だとクラックが出やすいので、汎用性のあるタイルが土
間におすすめです。
価格はピンからキリまでありますが、気に入ったものが
見つからず、石にしました。
石は素材や使い方次第では、冷たい印象になったりする
ので素材選びは慎重に。
我が家は庭用の砂岩石を敷きました。(コスパ良し)
その少しラフな表情が素朴な我が家にぴったりとマッチ
しています。

♦︎冬あたたかく、夏はひんやり
昔の土間は底冷えがするイメージですが、土間の下には
断熱をいれているので、さほど寒くはなく、冬は日が低
いので南側から日が差し、石の蓄熱効果で温めてくれて
います。
逆に夏は日が高いので軒が日差しをカット、家の中まで
は日が入りません。
軒が深い家は理にかなっているなあといつも感心しま
す。

♦︎お掃除事情
土間の掃除は、濡らした新聞紙を撒いてホコリがたたな
いように箒で掃くというのが昔からの知恵のようです
が。試したらこれが全然だめで、ホコリがかなり舞い上
がりました。涙
以来、排気方向を意識しながら掃除機(ヘッドを土間用
につけかえて)をかけるようにしています。充電式のス
ティッククリーナーではイマイチ。コード式、紙パック
タイプが断然安心です。大掃除のときにはさらに雑巾掛
けしており、とてもこざっぱりとして気持ち良いです。

薪ストーブと土間も好相性。
灰が落ちても焦げないし、汚れてもあまり気にならず。
段差も必要とせず、一面フラットで掃除も楽。

♦︎模様替え
冬には薪ストーブを存分に楽しむために、模様替えを行
います。憧れの薪ストーブ+床座生活もテーブルをひと
つ退けてギャッベを敷くだけでかないます。このスタイ
ルが意外と家族から大好評です。視点が低くなり、家が
広く感じます。そして秀逸なのは円卓というアイテム。
人数が増えても融通がきくし(900φでも8人がお茶で
きるw)、座る場所が限定されない、みんなの顔を均等
に見回すことができる、など角テーブル+椅子にくらべ
るとなんと自由なことか。上がり框にクッションを並べ
て凭れたり、薪ストーブの前でゴロゴロ横になったり。
とにかく寛げます。(冬の間は家族みんなほとんどここ
にいるのでは・・・)お正月、薪ストーブでお餅を焼い
てここで食べるのが至福の時間です。

すべての方におすすめできるプランではないですが、
土間のある暮らし、とても豊かで、自由で、楽しい。
これからも既成の枠にとらわれず、土間の良さを生かし
つつフレキシブルに進化をとげたいと思っています。